Saturday, September 22, 2012

私が15年間IT業界で走り続けてきた理由
〜ソフトバンク、グーグル、LinkedIn。そして、私が向かう場所〜


東洋英和女学院 学院報「楓園 に寄稿したエッセイをブログに掲載します。

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私が15年間IT業界で走り続けてきた理由
〜ソフトバンク、グーグル、LinkedIn。そして、私が向かう場所〜


1997年から15年間、ソフトバンク、グーグルなど、数々のIT企業でキャリアを積んできた。昨年9月には、米国生まれのビジネス特化型ソーシャルネットワークサービス(以下SNS)、リンクトイン(LinkedIn)の日本法人に社員第一号として入社。関係者に着任のお知らせをした際、返ってきたコメントは、こうだ。

「長谷川さんは、どこまでも走り続けますねえ」

その通りだ。転職先のリンクトインでの主なミッションは、日本事業立ち上げ。大変なのはわかっている。でもこの道を選んだ理由は、私がITによってかけがえのない経験を神様に与えてもらい、大きな使命を感じているからだ。

そもそも、私がITに目覚めたきっかけは、父の海外赴任で高校時代をカナダで過ごしたことにさかのぼる。当時(1990年頃)はインターネットがなかったため、離れて暮らしていた兄と姉に国際電話やF A Xでコミュニケーションをとっていた。高校の英語と勉強が辛かったので、家族の電話タイムは特別だった。会話の後、受話器を置く瞬間は、いつも心がふわりと楽になった。私は、この〝ふわり〟をくれた国際電話が大好きになった。

1992年に帰国してからも海外とのやりとりに国際通信サービスを活用した。大学ラクロス部に入部し、日本ラクロス協会学生連盟の海外渉外部でも仕事をする機会に恵まれた。一番の思い出は、元アメリカ代表のコーチ3名を招き、学生200名を対象にした夏合宿。コーチと参加者との連絡手段は、電話とFAXのみ。特にコーチとの連絡は、時差で苦労したが、綿密なやりとりの甲斐もあり、スムーズに事が運んだ。学生とコーチたちが融合し、忘れられない感動体験を提供することができた。この体験から、私は、通信業界に就職し、多くの人に同じような体験をしてもらいたいと思うようになった。

新卒で外資系メーカーに入社し、翌年、通信業界へ転職した。インターネット時代の幕開け、業界再編。度重なる組織変更で最終的にソフトバンク社員になっていた。知識と能力に限界を感じていたので、働きながらMBAを取得した。そして、10年以上勤めた通信業界を卒業し、グーグルに転職した。

グーグルでは、世界一の技術、ビジネス、仲間と出会った。グローバルで動く開発。申し分のない職場環境。毎日充実していたが、小規模な環境で自分の実力を試してみたいと思っていた。その矢先、投資家からベンチャー企業に誘われたので、迷わずグーグルを退職した。ベンチャー企業では、大企業の手法が全く通用しなかった。即判断、即実行。迷っていると上司に怒られた。でも、そのお陰で、起業家精神をみっちり叩きこまれた。

1年間のベンチャー経験を経て、リンクトインで新たな一歩を踏み始めた。リンクトインは、1億7500万人のプロフェッショナルが使うSNS。インターネット上で世界中の職業人をつなぎ、成功に導くことがミッションだ。これは、私がはじめ通信業界に行きたいと思った動機と一致する。不思議なことに、経験した業務がすべてここで活かされている。まるで神様がここに呼んでくれたように思える。

結局15年間、IT企業で走ってきたが、私が向かう場所は、まだ分からない。でも明確なのは、素直に神様の言葉を聞き、人から求められたことに奉仕し続けるということ。最終的な答えが出るまで、奉仕を通して探したい。さあ、行こう。こうして私は、今日も走り続けるのだ。


■はせがわ れい/世界最大級のプロフェッショナルSNS、リンクトイン(LinkedIn)日本法人社員第一号。シニアマーケティングマネージャーとして、日本での会員拡大を目指す。週末は、カトリック麻布教会にて広報部会長も務める。

LinkedInプロフィール http://jp.linkedin.com/in/reihasegawa 
Twitter @rei_hasegawa
※この記事の内容は、個人の見解であり、所属している組織や団体とは関係ありません。

1 comment:

  1. ネットが進化した現在では、SNSで人々が価値観を共有し集える良い環境になってきたと思う。今日も楽しい一日になりますように!

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